誰しも人には言えない隠し事が一つや二つあるだろう。林は朝の通勤中、大学生の吉鷹と顔を合わせる。朝の挨拶を交わしてから会社に行くのが林の日課だった。そんな林にはどうしてもいないことがあった。誰でもいいから男とセックスをしてみたい。彼女がいたことはあった。でもどうしても勃起できなかったのだ。林はゲイだった、生まれたときからずっと。世間と違う自分を誰にも知られたくなかった。誰も愛さないし、誰からも愛されず、一生独りでいる覚悟もしていた。なのに、心の底ではこの欲望を満たしてくれる相手をどこか求めてしまっている。その夜、林はランニングしていた吉鷹と偶然会う―。





































同人作品名:イヤって言ってもきかないで
同人作家:宇良たまじ